寒霞渓の魅力

瀬戸内海国立公園 寒霞渓(かんかけい)

四季それぞれに織りなす豊かな大自然に恵まれた瀬戸内海国立公園の中心地、小豆島しょうどしま。そのほぼ中央に位置する寒霞渓かんかけいは島の最高峰星ヶ城ほしがじょう山と四方指しほうざしの間にある渓谷です。
寒霞渓は、約1300万年前の火山活動によってできた安山岩あんざんがん層や火山かざん角礫岩かくれきがん層などの岩塊が長い年月の地殻変動や風化と侵食によって多種多様の奇岩と崖地が絶景を創りあげた。

この特異な地形からなる渓谷は日本三大渓谷美のひとつとして賞され小豆島が世界に誇る景勝地となっている。
奇岩の渓谷美として知られる寒霞渓は日本書紀にも記述がある景勝地で、元々は鉤懸山かぎかけやま神懸山かみかけやまなどと呼ばれていたが明治11年(1878年)に儒学者の藤澤ふじさわ南岳なんがくにより寒霞渓と命名された。
その後、多くの地元の方々の尽力により景勝が守り継がれていくなかで、その高い観賞上の価値が認められ大正12年(1923年)に国の名勝に指定、昭和9年(1934年)に日本で最初の国立公園(瀬戸内海国立公園)の代表的な景勝地として指定された。

深い渓谷を行くロープウェイから望む、瀬戸内海の素晴らしい景色も見逃すことはできない。
登山道をゆっくり歩きながら、珍しい動植物に会えることも楽しみのひとつになる。

寒霞渓マップ

ハイキング

寒霞渓には表12景、裏8景、小豆島最高峰の星ヶ城への登山道があります。
片道約1時間かけて歩く登山道からは、長い年月によって創りだした奇岩怪石の表情や自生した植物を間近で観察することができます。
体力に合わせて上りはロープウェイ、下りはハイキングというコースもおススメ。(逆コースでもO.K)
地上からと空中からと寒霞渓を完全制覇!自然を満喫しながらのんびり過ごすスローな島旅プランです。

注意点

十分な準備と健康管理、安全の確保等、自己の責任において行動してください。
寒霞渓一帯は国立公園特別地域に指定されています。美しい自然景観をそのまま維持していくため次のルールをお守りください。

  • サル、イノシシ、シカなど野生動物やスズメバチやマムシなどの危険な生き物には注意してください。また動物 の捕獲、植物の採取等は禁止されています。
  • 火気の使用は厳禁となっています。
  • ゴミは各自で持ち帰りましょう。
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ROUTE1

寒霞渓表12景登山道

<所要時間 :1時間 距離:2km
  • 表12景をめぐるゆるやかなコースです。

途中見ることが出来る 寒霞渓表12景

ROUTE2

寒霞渓裏8景登山道

<所要時間 :1時間 距離:1.8km
  • 裏8景をめぐるコースです。

途中見ることが出来る 寒霞渓裏8景

ROUTE3

星ヶ城登山道

<所要時間 :1時間30分 距離:2.3km
  • 小豆島の最高峰星ヶ城山へと続く山上のコースです。

途中見ることが出来る景色

寒霞渓(神懸山)のあゆみ

(内海町史年表より一部抜粋)
古墳文化時代(300年頃)
応神天皇の行幸
天保 2年(1831)
阿波の文人、貫名海屋が来山。神縣山の風景を杜甫の詩にちなみ「浣花渓」と称する。
明治11年(1878)
讃岐出身の儒学者藤沢南岳によって、はじめて『寒霞渓』という雅名が選定された。
明治31年(1898)
神懸山保勝会が発足した。
明治32年(1899)
皇太子殿下(大正天皇)寒霞渓山麓で遊猟をされた。
明治43年(1910)
神懸山保勝会は大阪毎日新聞記者、太平洋画会会員などを招聘し島を宣伝させた。
明治44年(1911)
北白川宮能久親王妃、寒霞渓を探勝された。
大正 7年(1918)
東久迩宮稔彦王殿下が、寒霞渓を探勝された。
大正11年(1922)
摂政宮殿下(後の昭和天皇)、久邇宮邦彦王殿下が寒霞渓を探勝される。
神懸山保勝会が「神懸山志」を刊行。
大正12年(1923)
神懸山(寒霞渓)が国の名勝に指定された。
大正12年(1923)
久邇宮邦彦王、同妃、良子女王、信子女王各殿下
丸金醤油ご視察の後、寒霞渓を探勝された。
昭和 4年(1929)
大阪商船寒霞渓遊覧船「鳴門丸」が毎日就航(草壁港)
昭和 7年(1932)
寒霞渓山バス(上村まで)が開通することになった。
昭和 9年(1934)
寒霞渓を中心とした瀬戸内海国立公園が制定された。
(国立公園指定第1号)
昭和15年(1940)
星ヶ城跡が、県の史跡に指定された。
昭和24年(1949)
関西汽船の寒霞渓観楓船が大阪-草壁港就航再開
昭和26年(1951)
関西汽船がもみじ特発船を増便した。
昭和27年(1952)
義宮殿下来島、寒霞渓等を巡行された。
昭和31年(1956)
阿豆枳神社復興奉賛会が創設された。(佐伯輿之吉)
昭和32年(1957)
星ヶ城阿豆枳神社本殿が完成。寒霞渓の日本猿群が県の天然記念物に指定された。
昭和38年(1963)
寒霞渓ロープウェイ開通
昭和41年(1966)
高松宮ご夫妻来島、寒霞渓等を探勝された。
昭和43年(1968)
四国新聞社「さぬき百景」に寒霞渓が選ばれた。
昭和45年(1970)
寒霞渓有料ドライブウェー(ブルーライン)開通
昭和47年(1972)
星ヶ城が、県の史跡に指定された。
昭和56年(1981)
寒霞渓有料ドライブウェーが、県道に移管され、無料となる。
昭和58年(1983)
朝日新聞社と森林文化協会の「21世紀に残したい日本の自然百選」に寒霞渓が選ばれた。
昭和60年(1985)
高円宮憲仁親王ご夫妻が、寒霞渓で「もみじ」を植樹された。
朝日新聞社と森林文化協会の「21世紀に残したい日本の自然百選」に星ヶ城が選ばれた。
平成 元年(1989)
四国新聞社「さぬき伝承百選」に寒霞渓が選ばれた。
平成16年(2004)
瀬戸内海国立公園制定70周年
平成25年(2013)
寒霞渓ロープウェイ開通50周年
平成26年(2014)
瀬戸内海国立公園制定80周年
平成26年(2014)
ミシュラン・グリーンガイド四国に寒霞渓が一つ星として紹介された。